新型コロナ発症から10日で退院

厚生労働省は6月12日、新型コロナウイルスに感染した人の退院と、宿泊療養の解除の基準を変更しました。当初は2度のPCR検査陰性がでなければ、何週間もの間、入院し続けていたものが、先月発症から14日間に変更され、今回さらに10日間に短縮されました。世界保健機関(WHO)が基準を変えた事などを受けて見直したのと、米国疾病対策センター(CDC)も同様の基準を設けている事がその根拠と思われます。

新しい退院基準は、発症から10日間経過し、かつ熱が下るなど症状が軽快してから72時間が過ぎればPCR検査なしで退院できるとしています。 また10日経過せずに症状がよくなった場合はこれまで同様、PCR検査を24時間以上間隔を空けて2回専属で陰性であれば、退院可能となります。 さらに無症状の場合は、陽性と判明した検査の検体採取日から14日経てば退院可能だったのを10日に改め、検体採取から6日経過後24時間以上間隔を空けて2回、PCR検査で陰性を確認できれば退院できるというルールを新たに設けました。

軽症者と無症状者の自宅や宿泊療養の基準は、退院の基準と同様です。WHOは5月に感染予防策としての隔離などの終了基準を見直しました。症状がある患者は発症から10日間経過し、症状がなくなってから3日間、無症状者は陽性となってから10日間としています。

 

このWHO、米国CDC及びそれを受けての厚生労働省の見解や、これまでのコロナウイルスの感染状況を勘案しますと、

  • 新型コロナウイルス感染者の8割程は、ほとんどが風邪症状で軽快する。
  • 新型コロナウイルス感染に感染し、いわゆる「風邪」症状になっても、本来コロナウイルスは風邪のメジャーな原因ウイルスだったので、少し長引いでも7日程度で軽快し、症状がなくなって3日経過すれば、約10日の経過で退院、つまり出勤や通学をしてもいい、という事になるので、言い換えれば、もう他者への感染力もない、という事でもある。
  • インフルエンザは、発症から5日かつ解熱してから2日程経過していれば出勤や通学はいいですよ、という基準がある。

これらの事から、新型コロナウイルスも、インフルエンザより少し長めの時間を要するものの、同じような見方ができるのではないかと考えられます。

 

ただ新型コロナウイルスの場合、無症状の潜伏期間が2週間程あり、気が付かないうちに感染し、いつ発症するのかわからない無症状のまま行動し、風邪症状が出始める頃に、感染力が一番あって、他者に感染させてしまう、という事があるので、世間ではみな、

「いつ感染しているかわからない、無症状であっても誰が感染者になるかわからない」という不安が払拭できません。この為ずっと人との距離をとり、握手やハグもしない、黙って食事をとり、飲みにも行かない。マスクは暑くても屋外であっても着用し、お店に入る時にはマスクはし続ける、という対応を取らざるを得ません。

「人の目」もあるので、やむを得ないでしょう。

 

でもどうなんでしょう。。 これまで生きてきて、「あ、風邪ひいたかな?」とか「インフルエンザかもしれない」という自覚をした事ってあると思います。そうした際に、わざわざ他者にうつそうと、積極的に人に向けて咳込むような事はしていないと思います。風邪をひいいた人自身も、そういう事をされた覚えはなくても、風邪をひいてしまう事はあります。大抵話を伺うと、「オフィスで、近くの席の方がずっと咳をしていた」などと、原因となったらしき人を見つけている事もありますし、全く身に覚えがない、という場合も多くあります。 風邪やインフルエンザがはやっていた冬場、注意をしていてもそうした事は起こっていると思います。

 

新型コロナウイルスに感染した=ほとんど死ぬ ではありません。もちろん重症化し、亡くなる方もいる中で、軽率な事を言う事はできません。 ですが、薬やワクチンが開発されれば、普通の生活が送れる、安心できる、それまでは怖くて外にも行けない、という状況なのでしょうか。 様々な報道やメディアを通じてのコメントや見解を聞いた上で、人々の気持ちがそういう方向に萎縮させられ、また「他者がマスクをしていない」などの行動に対して、過剰に反応する、というような風潮が、余計に暮らしにくさを助長しているようにも感じています。

 

「普通の日常生活」 それはマスクをしているとかしていないとかではなく、人々の感覚や人間同士の関わりが、元のようになれる、他者を許せ思いやれる、そうした本来の人の優しさを感じられる日々になってもらいたいと思います。